
ごくたまに、エージェンシーから打診を受けてびっくりすることがあります。
これは紙面のやりとりだったら起こらなかった混乱ですが、ある時、とあるエージェンシーからたまたま電話で「スペインのレイバイについてリサーチしていただきたいのですが」と訊かれ、とっさに白装束の霊媒師の姿が頭に浮かんで、一瞬返答につまってしまいました。
「…レイバイ…ですか?」
何やら怪しげなことをリサーチしなければならないのだろうかと思って聞き返すと、どうやら「霊媒」ではなく「冷媒」のことで、家電機器のフロンガス・代替フロンに関する規制や廃棄物管理・リサイクル方法について調べてほしいらしい。
なるほど、そういうことかとようやく腑に落ちたのでした。
とはいえ「冷媒」の方も私にとっては全く守備範囲外、ほとんど知識ゼロからのスタートです。
スペイン語の関係資料を探してくれれば良いとのことだったので、王立令などの公文書を含む原語の資料を11個ほど集め、さすがにそのまま提出するのはどうかと思い、各資料の内容を要約した日本語タイトルをつけて納品させていただきました。
本当に、こういう仕事をしていると、思いもかけない分野のリサーチをたのまれるものです。